
体外衝撃波治療とは?
体外衝撃波治療とは、音波の一種である衝撃波を体内の組織に伝達することで、疼痛改善や組織修復を促す治療法です。医療分野においては、1980年代後半に腎臓の結石破砕術で初めて用いられました。その後、その技術を応用して低エネルギーの衝撃波をさまざまな整形外科領域の様々な疾患に応用するようになりました。ヨーロッパを中心に普及し、低侵襲な治療法として、スポーツ選手にもよく用いられてます。
一般的に体外衝撃波には、フォーカスタイプと呼ばれる集束型体外衝撃波と、ラディアルタイプと呼ばれる拡散型圧力波の2種類があります。
集束型体外衝撃波は、エネルギーが組織深部に集束され、集束点で最大となります。一方で、拡散型圧力波では、エネルギーが皮膚表層から組織深部に向かって放射状に伝わっていきます。照射エネルギーは皮膚表層で最大となり、深部に進むほど減衰していくのが特徴です。
体外衝撃波治療の適用疾患
足部
- 足底腱膜炎
- アキレス腱炎
- アキレス腱付着部炎
膝
- 膝蓋腱炎
肘
- 上腕骨外側上顆炎
- 内側上顆炎
肩
- 石灰沈着性腱板炎
- 腱板炎
骨折
- 偽関節
- 疲労骨折
その他
- 早期の離断性骨軟骨炎
- 早期の骨壊死
日本国内では難治性足底腱膜炎に対し、保険が適用されています。
国際衝撃波治療学会(ISMST)では、下記の疾患が対象とされています。
[足部]・足底腱膜炎・アキレス腱炎・アキレス腱付着部炎
[膝]・膝蓋腱炎
[肘]・上腕骨外側上顆炎・内側上顆炎
[肩]・石灰沈着性腱板炎・腱板炎
[骨折]・偽関節・疲労骨折
[その他]・早期の離断性骨軟骨炎・早期の骨壊死に対し体外衝撃波という新しい治療を行っています。


保存療法を6か月以上受けても効果の見られない難治性の足底腱膜炎の除痛治療に効果を発揮します。STORZ MEDICAL独自開発の円筒型衝撃波コイルにより、安定した衝撃波エネルギーの発生と操作性の向上の両方を可能にしました。ハンドピースを患部に当て、照射ボタンを押すだけで治療を開始することができます。また、衝撃波エネルギーの到達深度を2種類のスタンドオフによって調整できることから、より安全かつ快適な治療が可能となっています。

治療の流れ
STEP 1
問診、診察、検査
症状や画像検査などの結果から、この治療法の適応かどうかを判断します。
適応の場合、治療の日程を決めます。
(同日可能な場合もあります)
STEP 2
治療
ベッドに横になり、患部に衝撃波を当てます。1回の治療時間は約20分程度です。治療後は、歩いて帰宅可能です。日常生活の制限等も特にありません。
STEP 3
再診
治療後は経過観察させて頂きます。
(医師からの指示に従って下さい)

治療にかかる費用
「保険診療について」 難治性の足定腱膜炎
1割負担の方 5,000円
3割負担で15,000円(初診料・再診料は別途かかります。)
「保険外診療について」 上記疾患以外(税別)
1回目 15,000円
2回目以降 5,000円 (3回で25,000円になります。)

よくあるご質問
衝撃波とは何ですか?
衝撃波とは高出力の音波です。
医療の領域では、衝撃波は1980年代から腎結石を破砕する際に使用されました。
現代の疼痛治療においては、結石破砕装置の約20分の1の出力が使用されています。
衝撃波は痛みの部位に照射され、そこに治療効果を生じさせます。
治療に痛みは伴いますか?
治療中は痛みを伴います。
我慢できる範囲で出力を上げていきます。
低レベルでの照射に耐えられない方は、途中で治療を中断する場合があります。
治療回数は何回ですか?
一般的に2~3回の繰り返し治療で治療効果が確認されています。
治療効果はどのくらいですか?
体外衝撃波による治療は、完全なる除痛を保証するものではありません。
また、患者様により治療効果や治療期間が異なります。
平均的治療効果は、60%~80%と報告されています。
考えられる有害事象は何ですか?
以下の有害事象が考えられます。
- 腫張、発赤、血腫
- 点状出血
- 疼痛
- コルチゾン治療を受けた部位での皮膚損傷
米国の治療データでは有害事象に関しては、治療時の痛み・不快感、治療後の痛み、腫張などの既知の有害作用が確認されたのみで、皮膚発赤。照射皮膚面の痣形成、血腫、点状出血、瘢痕形成などの重篤な副作用はありませんでした。
体外衝撃波と超音波の違いは何ですか?
超音波は出力を強くすると、熱を発生する為、出力を強くすることができません。
体外衝撃波はほとんど熱を発生しない為、出力を強くすることが可能です。
また、超音波は深部に及ぶにつれて減衰しますが、衝撃波は減衰しない為、深部に照射することが可能です。